ロサンゼルス(LA)は車社会のため、観光客には移動がとても不便に感じる街です。地下鉄やバスなど公共交通機関もありますが、日本ほど路線が発達しておらず、限られた日程で広大な土地を自由に移動するには時間がかかりすぎたり、乗り換えなどが複雑だったりと、不自由に感じる方も多いと思います。

そんなLAでも、歩いて回れる観光スポットがいくつかあります。今回は、大谷翔平投手の活躍で多くの日本人観光客が訪れるであろうダウンタウン周辺の観光スポットを紹介します。ダウンタウンには多くのホテルがあり、スタジアムからもさほど離れていないため、宿泊地に選ぶ方も多いと思います。また、ユニオン・ステーションからはドジャースタジアム行きの無料シャトルバスも出ているため、ついでにふらっと観光や食事ができるおすすめスポットは知っておくと便利です。

■ユニオン・ステーション

ユニオン・ステーションからシャトルバスに乗る方は、時間に余裕があればぜひ駅構内の散策をお勧めします。このコラムでも何度か紹介したことがありますが、1939年に建てられたミッション風のアールデコ調の建物が特徴的な駅は、ダウンタウンのシンボル的存在であるだけでなく、数多くの映画やドラマに登場するロケ地としても有名です。歴史的史跡にも認定されており、アラメダ通り側の入り口から入ってすぐ左手には、今は使われていないかつてのチケット売り場も保存されています。一般の立ち入りはできないものの通路から中の様子を見ることができ、荘厳な建物内部は一見の価値があります。

クラシックで内観も美しいユニオン・ステーション
クラシックで内観も美しいユニオン・ステーション

■オルベラ・ストリート

ユニオン・ステーションからアラメダ通りを渡った向かい側にある「オルベラ・ストリート」ことオルベラ街は、LA発祥の地として知られています。まるでメキシコの街に来たような雰囲気の街並みからは、LAがかつてメキシコ領土だった名残を感じることができます。一帯がエルプエブロ歴史史跡となっており、入り口の広場ではメキシコの音楽を演奏している人やダンスをする人たちで週末はにぎわいます。おみやげものが並ぶ小さな店が軒を連ねる小道は、カラフルなメキシコの民族衣装や伝統工芸品が並んでおり、異国情緒にあふれています。入館無料で入れる博物館もいくつかあるので、のぞいてみるのも楽しいです。また、本場メキシコのストリートフードが楽しめる屋台から、本格的なメキシコ料理のレストランまであり、ランチをするにもぴったりの場所です。

LA発祥の地として知られるオルベラ街
LA発祥の地として知られるオルベラ街

■チャイナタウン

オルベラ街のお隣は、チャイナタウンです。もともとのチャイナタウンは、ユニオン・ステーションがあった場所に誕生したそうですが、鉄道開発にともなって30年代に少し離れた現在の場所に移転して新しいチャイナタウンが作られたといわれています。

コロナ禍以降、活気がなくなった時期もありましたが、中華レストランがたくさんあるほか、お手頃価格でおいしいペイストリーが食べられるベーカリーなどもあります。また、ランチタイムなら本場の飲茶も楽しめます。ほかにも、チャイナタウンの外れにあるLA発祥のローカルサンドイッチ、フレンチディップサンドで有名な「フィリップ・ザ・オリジナル」も、訪れる価値のある名店です。

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)

チャイナタウンはダウンタウンの人気観光地の一つ
チャイナタウンはダウンタウンの人気観光地の一つ