エンゼルスを完封したアスレチックスの先発右腕クリス・バシット(32)が、試合後の会見で涙を流した。9回まで114球を投げ2安打無失点、9奪三振1四球。メジャー7年目にして初完投が初完封劇となった。16年にトミー・ジョン手術を受けるなど多くのケガに苦しんできたこともあり「周りのたくさんの人が僕を後押ししてくれた。感謝しかない。このチームにいられることにも感謝する」と涙を拭った。

完封が見えてきた7回以降は、すでに感情の高ぶりがあった。そんな中、最後の9回に緊張を和らげたのがエンゼルス大谷翔平投手(26)が取った意外な行動だった。大谷が打席の途中でタイムを取ったが、投球に集中していたバシットは気付かない。そこで大谷が右手をひらひらと振って合図を送った。気付いたバシットは、思わず笑みをもらした。

大谷のその行動は、テレビ中継でも話題になった。実況解説は「彼はスポーツ界の中で最も親切な競技者ではないか」と大谷に拍手した。