中西清起氏が指南! 交流戦前ラスト5カードかく戦え

セ・リーグの戦いは3巡目に突入したが、どのチームも決め手を欠いて抜け出せそうにない。かろうじて首位の座を守っている阪神も「投高打低」の状態が顕著で苦戦している。岡田監督も、他球団の戦力、戦い方などを把握した上で、今年はこんなもんだろう、昨シーズンのようにはいかないと踏んでいるはずだ。

それでも月末からの交流戦までに「貯金5」ぐらいにして戦いたい。33試合を消化し、19試合が2点以内といった内容が示しているように、どこまで得点力が上がるかにかかっている。

カード初戦が雨天中止になった後、連敗を喫した広島2連戦を見ていても、3番から6番の中軸打者に“1本”が出ていれば展開は変わっていたはずだ。

全体的に甘いボールを“1球”で仕留めることができない。ノイジーもまったく迫力がない。相手に怖さを持たれていない。本塁打は期待していないだろうが、野手の間を抜くような当たりもない。

大山、佐藤輝らもミスショットが多い。

昨シーズンはオーダーを固定できたが、今年は動かさざるを得ない状況だ。1、2番が出塁し、クリーンアップでかえす本来の得点パターンがいつ戻ってくるかが、カギを握っている。

8日の広島戦で新外国人ゲラが攻略されたのを見て、少し慣れられてきていると感じた。チームを支えているのは安定した投手力だ。守りのミスも失点につながっているので、ここは引き締めたい。

交流戦は“未知の世界”だから、それまでの戦いはポイントになる。しばらくは混戦模様で、個人的には「4強2弱」に割れるとみる。それまでの“5月戦線”でもたつくわけにはいかない。(日刊スポーツ評論家)