「いや~速すぎる…」

記者は初めて150キロ級の直球を打席で体感した。

ソフトバンク仲田慶介内野手(24)の特訓場所へ足を運んだ。福岡・姪浜駅から徒歩で約5分ほどの場所にあるバッティングセンター。「西部スポーツガーデン」だ。

仲田は4月29日の西武戦(みずほペイペイドーム)でプロ初安打をマークした。その試合後の囲み取材。「バッティングセンターにもちょいちょい行ったり」と語った。プロ野球選手がバッティングセンターで汗を流す。「速いボールを見ておかないといけない。目を慣らすためにも。そこにあるバッティングセンターがいいので」。打つのは140キロのマシンだという。ただ「140キロぐらいなんですけど、もっと速い140キロ」と明かした。

学生時代は野球とは無縁だった記者は、気になって実際に行ってみた。確かに「140 km」と書かれたコーナーが1カ所あった。一見、変わった感じはしないが、店長の福田晃平さん(40)が「15・20メートルなんです」と教えてくれた。本来はマウンドのプレートからホームベースまで18・44メートル。それよりも3メートル以上は短いことになる。「もっと速い140キロ」と仲田が言うのも納得だ。

福田さんは「小学校の高学年ぐらいから来ています。中学、高校、大学でも来ていました」と証言する。バッティングセンターでは軟式球が使われているが、仲田は試合で使用する木製バットで打ち返す。さらに15・20メートルよりも前に立っているという。

せっかくなので1打席“勝負”してみることにした。1回300円。ボールは20球。「バットに当てるぐらいは…」と意気込むも、甘かった。ブン、ブン…。全20球かすりもしない。中学生、カップルと他のお客さんもいた。記者はソロで来店。悔しいよりも、恥ずかしいが圧倒的に上回った。それと同時に改めてプロ野球選手のすごみを感じた。素振りから出直したい。【ソフトバンク担当・佐藤究】

ソフトバンク仲田が通い続けるバッティングセンター(撮影・佐藤究)
ソフトバンク仲田が通い続けるバッティングセンター(撮影・佐藤究)
ソフトバンク対西武 7回裏ソフトバンク無死一塁、中前にプロ初安打を放つ仲田(2024年4月29日撮影)
ソフトバンク対西武 7回裏ソフトバンク無死一塁、中前にプロ初安打を放つ仲田(2024年4月29日撮影)