侍たちの関係に変化あり? 侍ジャパンは3日から中日との壮行試合(バンテリンドーム)に臨む。

ここからは実戦が続き、WBC開幕へと突き進む。その前に、宮崎で11日間にわたる強化合宿を行った。投手陣では最年長のダルビッシュが「先生」として豊富な知識や経験を伝授して回った。イジられ役としてすっかりなじんだ宇田川も輪の中心に。さらに投手、野手、チームの垣根を飛び越えた「すし会」「焼き肉会」も開催。他にもフリー打撃のグループやキャッチボールペアなど、合宿ならではの絡みもあった。相関図を見れば、メンバーたちの新たな関係が見えてくる!?

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中心はダルビッシュ有投手(36=パドレス)と宇田川優希投手(24=オリックス)だった。最年長のダルビッシュは豪華な若手投手たちにスライダーやフォーク、ツーシームなど変化球の握りや投げ方を伝授。さらに減量をオリックスから命じられていた宇田川へ「自分に優しくていいから」とアドバイスを送るなど、メンタル面でも豊富な知識や経験を伝えた。

宇田川は「宇田川会」をきっかけにダルビッシュら周囲にイジられながら徐々になじめるようになった。合宿最終日の記念撮影も、当たり前のようにセンターへいざなわれ、1人体育座りした。

互いのリスペクトも生まれた。壮行試合でともに3者凡退リレーを見せた大勢と湯浅の「ガチアツ」コンビは、そろって栗林に一目置いた。山川は村上を「4番は(村)神様がいる」と絶賛。その村上は岡本をリスペクトを込めて「師匠」と呼び、距離を縮めた。今永は大柄な体格の大城を相手にブルペン投球し、「投げやすい」と称賛した。

球界を代表するスター同士が教え合い、距離を縮め、一体感を生んだ。宮崎での11日間を土台に侍ジャパンが世界の頂点を見据える。