自民党は5日、臨時国会中に予定している故安倍晋三元首相への追悼演説を立憲民主党の野田佳彦元首相に要請する方向で調整に入った。当初は8月の臨時国会で自民党の甘利明前幹事長が有力視されたものの、首相経験者の追悼演説は野党の党首クラスが担当するのが慣例で与野党から異論があり、見送られた。

立民は安倍元首相の国葬に執行部は参列しないことを決定したが、野田氏は「元首相が元首相の葬儀に出ないというのは、私の人生観から外れる」などとして出席した。野田氏への打診について立民の泉健太代表は「岸田政権の延命のためだとか、批判を回避するため、和らげるためにわが党所属の国会議員を利用しようとするのであれば大きな間違い。そんなことのために野田元総理はいるんじゃない」と不快感を示した。