桜花学園(愛知)が連覇を達成し、歴代最多の23度目の優勝を果たした。第1クオーター(Q)は186センチのナイジェリア人留学生オコンコ・スーザン・アマカ(3年)、185センチの朝比奈あずさ(2年)の高さを生かして21-12と好スタートを切ったが、第2Qは東京成徳大高(東京)の粘り強いディフェンスにプレーの精度を欠いて、5点差まで詰め寄られる場面もあった。

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しかし、前半を9点リードで折り返すと、第3Qから桜花学園が本領を発揮した。開始からオコンコの4連続ポイントで一気に突き放した。残り1分40秒、主将で司令塔の江村優有(3年)が4つ目のファウルを犯して一時的にベンチに下がったが、その直後、オコンコがドライブからシュートを決めるなどチームをけん引。決勝戦では歴代最多となる53点を量産した。

試合後、井上眞一監督(74)は「思うように点が入らなくてイライラしたが、最終的にアマカが驚異的なスコアをとってくれてすごく助かった」と頼りになるセンターの仕事ぶりに感謝した。「昨日の試合は全然できていなかったので、今日は自信を持ってプレーした、優勝して笑顔で終わりたいと思いました。頑張りました」と、オコンコは3年間ですっかり上達した日本語で振り返った。

今年はコロナ禍で4~6月まで約3カ月間も練習ができなかった。高校総体も国体も中止になったため、東京の大学の練習に参加するなどして実戦感覚を磨いてきたという。相手の徹底したマークでこの試合は8得点に終わった江村優有は「自分はミスが多くて、仕事ができなかったけど、周りのチームメートが最後まで自分のミスをカバーしてくれたので感謝しています」。個々の能力も高いが、この全員バスケットが桜花学園の何よりの強みだった。