HKT48矢吹奈子(21)が1日、パシフィコ横浜国立大ホールで、卒業コンサートを開催した。憧れのグループOG指原莉乃(30)から門出を祝われ、9年半のアイドル人生を締めくくった。

自身最後の参加シングル「君はもっとできる」でライブがスタート。一段高いセンターステージに立つと、4000人にとびきりの笑顔を振りまいた。卒業を惜しむファンの顔を眺めた矢吹は「この日が早く来てほしいと思ってたけど、来てほしくなかった。皆さんの顔を見たらいろんな表情をしていて。1人1人の顔をしっかり見て、覚えて帰りたいと思います」と話した。

矢吹は13年11月、12歳でHKT48の3期生としてデビュー。18年にはグローバルグループ、IZ*ONEのメンバーとして韓国デビューも経験した。21年5月にHKT48として活動を再開し、センターを務めたほか、ソロとしてもドラマやバラエティーで活躍した。「なこみく」コンビとして親しまれた同期で同学年の田中美久(21)との歌唱では、感極まって涙。田中から「たくさん隣にいてくれてありがとう」と伝えられると、「これからもずっと友達だよ」と目元を拭った。

中盤では指原、兒玉遥(26)田島芽瑠(23)朝長美桜(24)村重杏奈(24)のOG勢も登場し、会場を盛り上げた。矢吹は指原に憧れてHKT48入りし、「指原さんが私をアイドルにしてくださった。お母さんのように育てくれた」と感謝。ステージでは、指原の卒業コンサートで歌うことができず「唯一の心残りだった」と話す乃木坂46の楽曲「君の名は希望」をデュエットし、「歌っている時は泣かなかったのに、抱き合って顔見たら涙が出てきちゃった」と感激した。

アンコールにはピンクベージュのドレスで登場。最後のスピーチでは周囲への感謝を述べ、「私を応援していることを誇りに思ってもらえるようにこれからも人間性を高めて、もっと成長できるように努力し続けたいと思います」と語った。ファンの「奈子ちゃんコール」に包まれながら、「こんなにすてきな景色を見させてくれて、ありがとうございました」と笑顔でステージを降りた。

今後は女優として「自分にしか出せないものを」と前を向く。矢吹は「大きな目標だけど、朝ドラのヒロインをやりたい。実力をつけて頑張りたい」と意気込んだ。【遠藤尚子】